院長インタビュー – 2024年7月
このサイト用に、以前インタビューしたのがもうおよそ10年前(2015/6/18)。
およそ10年の時を経て、先生の知見が、矯正の方法が、どう変わったのでしょうか?
2024/7/18のインタビューをご一読いただけると幸いです。
目次
「子どもの矯正」=あごを広げるのがメイン
先生は子どもの矯正を始めて、かれこれ20年近くのキャリアになるそうですが。
「子どもの矯正」というのは、あごをひろげるのがメインだね。
(院長は、このサイトの前身2010/11作成の「横浜アートデンタルクリニック こどもの歯医者さん」でも「骨格の成長を考えて抜歯をしないヨーロッパ式矯正」をすでに提唱しています。
→温故知新
アゴを拡げる「方法」が変わったことと、さらにアゴを拡げることで得られる「メリット」を勉強し深堀して皆さんにお伝えしています。)
「歯並びをキレイにする」のも「噛み合わせをよくする」のも大事なんだけど、子どもの時は歯並びもアゴの成長があり常に変わっていくから、歯並びを完璧には出来ない。
確かに。歯の生え変わりがあるから、歯並びを固定できないですよね。
大事なのはアゴを拡げること。
特に上アゴ。
なぜなら上アゴが先に成長するから。
上アゴが先に成長するんですね?
そう。
だから子供が「小学校3~5年生くらい」は「ちょっと出っ歯気味」でもいいんです。
上アゴが先に成長して、下アゴがあとから成長するから。
上アゴを広げる=頭蓋骨の縫合の境が広がる。
ちなみに上アゴの上には、鼻、目、脳、頭蓋骨があります。
子ども時代は、鼻ならアレルギー性鼻炎や蓄膿症、目は視力の問題、脳は脳の発達に関わります。
人間は、呼吸しているときにここ(縫合)が、呼吸するたびに常に動いている。
おじいちゃんおばあちゃんになると動きづらくなるけどね。
ココを開くことが大事、頭蓋骨を開くことによって、脳の発達が促される。
アートデンタルで矯正した人の「歯並び以外」の良くなったデータを収集している?
先生、口の周りの筋肉だけじゃなくて、いよいよ「骨」まで出してきましたね。
しかし、頭蓋骨ってこれだけの骨に細分化されているんですね・・・私の頭蓋骨もどんなふうにつながっているのか、開けて見てみたい。(笑)
※縫合線の面白い話
(笑)脳はすべての機能に関係ある・・・心臓、筋肉、目、鼻・・・つまりすべての命に関わる部分を作っているんで、「縫合」(ほうごう:上記図の黒字部分/骨と骨のつなぎ目)を広げるということは、命の根源を作っている。
今、細かく勉強している・・・うちの患者さんで、ここをこう広げると鼻炎が治ったとかそういうのを収集しているところ。
先生、本当に延々と勉強し続けていますね。
(過去の勉強履歴: シン・中心位とは?)
アートデンタルで矯正した人の、「歯並び以外」の良くなったデータを収集しています。
命の根源を、小学校低学年の時に作っちゃうんだから。
「歯並びなんて、大人の歯が生えてきたら治せばいいやん」という人がまだまだ多い。
私も大人になってから抜歯して治したからね。
ココ(上アゴ)は治らへんねん。
上アゴは、いつくらいまで治せるのですか?
動くのはおじいちゃんおばあちゃんでも動くけど、成長するのは、9歳10歳くらい、小学校低学年まで。
男女でちょっと違う・・・女の子の方が、成長が早いからね。
成長させてあげるためには小学校3~4年までには・・・できたら1~2年がいいんだけれど、やってほしい。
「大人になってからでもいいじゃん」という人がまだまだが多いけど。
歯並びや噛み合わせも治すけど、ここ(頭蓋骨)治してんやで、と。
「歯医者ですよね?」と言いたくなります。(笑)
ちなみに、身体の中で酸素を一番使うのは「脳」です。
全身酸素消費量の約20%に相当するそうです。
(出典:本救急医学)
鼻呼吸は、脳を冷やすから「ラジエーター」の役割もしているのよ。
口呼吸になると脳が冷やされない。
脳が冷やされないと、いろいろな弊害が起きる。
上アゴを広げた人と、広げてない人と、犯罪率とか違うと思うねん。
むかついたり、カーっとなったり・・・最近ありえないような事件もあるでしょう。
そういう子が少しでも少なくなったらいいなと思うし。
確かに。
子供の情緒も「酸素不足」や「脳がヒートアップしていること」が影響しているのかもですね。
ココ(脳)が命の中枢です。
手とか足がなくなっても生きていけるけど、脳はそういう訳にいかないでしょう?
みんな歯並びガチャガチャがキッカケで来院するので、なかなかそこまで話す時間がないのが正直なところなんですよね。
なので、このホームページでお知らせしようと思って。
極端に言うと、歯並びに問題ない子も上アゴを広げて、脳の機能を最大限に生かすために、上アゴを広げてほしいの。
「歯並びがいい子」が、矯正するんですか??
乳歯と永久歯が混ざっているときに歯並び良くても、「隠れ歯並び悪い」パターン(全部永久歯になると歯並びが悪くなる)があるの。
乳歯&乳歯が混ざっている段階で「歯並びのいい子」も対象なんですね。
そう。
本当はここを話したいの。
「自分も歯並びが悪かったんで、子どもは治してあげたいです」と、キッカケとしてはいいんだけどね。
極端に言うと、歯並びが悪くてもいい。
上アゴを大きくしておけば、歯並びは大人になってから治してもいい。
結局、上アゴを広げる=歯並びもキレイになる=頭蓋骨が大きくなる=脳の発達もよくなる。
小学校低学年~中学年でしか出来ないことがある・・・10歳までしかできない治療、なんですね。
そうそうそう。
ホントはいつも「歯並びだけじゃないんだよ」と思いながら話をしています。
上アゴを広げたことで、脳や頭蓋骨に与える影響にも興味を持ってもらいたいなー、と。
歯並びはデコボコになれば気づきますが、頭蓋骨の話は全く考え付きませんものね。
あとは、歯並びが悪くても気にしていない人もいる。
「男の子なら別にいいわ」というお母さんもいるんだけど「歯並びだけ治すんとちゃうよ~
アゴを広げると、ここ(脳)がよくなる」・・・将来のためにたった2~3年で一生の心肺機能であったり、目の機能が決まるので、その時を大事にしてほしい。
小学校低学年で歯並びがいい子も「隠れ歯並び悪い」になる可能性があるから、気付いてほしい。
「八重歯かわいい♪」というお母さんもまだいるから。
40年前はチャーミングなものでしたよね、八重歯は。
松田聖子ちゃんも、デビュー当時そうでしたね。
日本は八重歯のあるアイドルもいるけど、アメリカは絶対無理だから。
歯並び悪い人も、いい人も、みんな上アゴを広げることが大事。
結構ジレンマなの、歯並びの話だけに終始しちゃうのが。
他のページでも口呼吸VS鼻呼吸、鼻呼吸が脳に与える影響があるからみてね!(続く)
取材後記
毎回、何屋さんに来ているのか分からなくなります。
いよいよ頭蓋骨まで出してきてビックリしました。(笑)
いや、笑い事じゃないんです。
実は頭蓋骨の縫合は、大人になったらくっついていると主張する勢力と、いやくっついていないと主張する勢力があるそうです。
先生は、中医学という漢方などの東洋医学も学んでいます。
「血の巡り」「気血」などの単語も時折出てきます。
スタッフの方も、林先生は本当に夜遅くまで勉強していると話していました。
患者さんの健康のためにもっともっとと、勉強の際限がないんですね。
脱帽です。